「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」小国綾子

アメリカ在住の妻の友人の友人が日米の少年野球の違いについての本を上梓したとのことで、読んでみた。文字通り一気に読んだ。ほんとによかった。

タイトルは少年野球の日米差ということになっているけれど、野球の違いというよりも子育ての思想の違いという普遍的な内容であり、誰もが読むべきものだった。野球がわからなくてもきっと楽しめる。

自分の場合、父親が元社会人野球選手で、残念ながら母親似の運動音痴だったにもかかわらず小さい頃から野球をやらされた。思い通りに上達しないものだから怒鳴られまくり、ほめられることもなく、ただひたすら受動的に筋トレやら素振りやらをやらせれていた。中学で野球部に入ったらそこでは上級生に殴られ監督にはタバコを買いにいかされ真冬に上半身裸でランニングさせられたりといったひどい環境。心から野球は面白くないなぁと思った。

でも悔しさのせいで高校でも野球部に入ったらそこは監督が野球経験のない人で、ただたまたま同じ学年に野球のうまい生徒が集まっていて、仕方ないから全部自分たちで練習メニューを組んでお互いのいいところ悪いところを指摘しながら誉めあって努力するというちょっと変わった野球部だった。ただそこは自分にとてもあっていて、環境によって同じ野球がこうも楽しいのかと初めて自主的に野球に向き合うことができた。そんな野球部がなんだか強くなってしまい甲子園には出られなかったものの県大会で2回準優勝できたりしたものだから、なおのこと、こどもが自信をもって自らの力で努力する環境をつくる、ということの大切さを信じるのです。好きこそものの上手なれ。

アメリカの少年野球は、9歳、10歳からトライアウトという選考試験を受けるなど小さい頃から実力を思い知らされる厳しさはあるけど、たとえそこに落ちたとしてもそれは本人が劣っているからではない、という励まされ環境があるし、こどもだけでなくおとなも含め、自分が生き生きとできる居場所を与えたり選んだり作ったりしていくことの大切さと、行動する勇気やアグレッシブさを育てる環境がある。ように見える。というのは、アメリカに住んだことないから。。。

この本にある「ここ以外に居場所がないなんてことは絶対にない。ここにしがみつかないと終わってしまう、選択肢はほかにない、なんてことは人生には存在しない。いくらでも選び直せる。迷ったっていい。」という著者のアメリカでの学びは、日米の違いとか面倒な議論は抜きに、普遍的な力を持っている。

もっとも今となってわかるのは当時の自分の父親は父親なりにこどもにいい環境を与えようとしてたわけで、恨む気持ちももちろんないけれど、ただひとつ、自信をもたせる、ということは親にとって非常に重要な仕事なのだなと自分も父親になって思うものである。自信とうぬぼれはまったく違うもので、自信をもちつつも自分よりもっとすごい人がいるということを謙虚に受け止める、ということ。

http://www.amazon.co.jp/dp/4770502176

アール・ブリュット・コレクション

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ローザンヌのボーリュー劇場の向かいにあるCollection de l’Art Brut, Lausanne

アール・ブリュットというのは知的障がい、精神障がい、刑務所など、いろんな理由で正規の教育を受けていない人のアート、という定義らしい。英語だと、アウトサイダー・アート。
wikipedia

悪い意味ではなく既存の権威や文脈を理解していないものが多いためか、破壊的で、力強く、狂っていて、感動する。
http://www.artbrut.ch/en/21004/1004/authors/carlo
http://www.artbrut.ch/en/21004/1073/authors/monsiel–edmund
http://www.artbrut.ch/en/21004/1050/authors/lonne–raphael
http://www.artbrut.ch/en/21004/1010/authors/goetze–helga
http://www.artbrut.ch/en/21004/1009/authors/gill–madge

リュクサンブール公園の人形劇

リュクサンブール公園のなかにある人形劇劇場。
ギニョール。
Theatre du Luxembourg.

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以前観たのは、定番のギニョールくんが案内するトロワプティコション、つまり3匹の子豚。今回は80周年特別企画?なのか、パタションというタイトル。

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はじまってみると、パタションは、まさかのオーナーおじさんかぶりもの。実物大のパタションは気持ち悪いが、シュールでおもしろい。コーナーの間に微妙に着替えたりするが微妙すぎて何のためにやっているのかまったくわからない。人形劇あり、ジャグリングあり、歌もあり。とくにこどもたちをステージにあげて歌うコーナーはよかった。

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朝子も、前回はよくわかってなかったが、1歳10ヶ月の今回はみんなと一緒に拍手をしたりモーモーうしさん踊りをしたり楽しんでいた模様。常設の人形劇場をもつリュクサンブール公園恐るべし。日本もプーク人形劇場とかがんばってるんだろうな。見に行ったことないけど、絶対見に行こう。

シルク・ツィガーヌ・ロマネ

シルク・ツィガーヌ・ロマネ(Cirque Tsigane Romane)。ツィガーヌはジプシー。ロマネもジプシー。つまり、ジプシーサーカス。

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Porte de Champerret駅近くの、マンション建築現場の一角のような裏寂れた場所に、赤いテントとトレーラー。

シルク・ド・ソレイユみたいな壮大なスペクタクルもいいけど、パリで見たかったのはまさにこれ。

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大家族が、ウッドベースにアコーディオンにバイオリンにギターにクラリネットでジプシー音楽を奏でる。出し物じたいは原始的なロープ芸やジャグリングなどだが、真っ赤なテントと、アップテンポのジプシー音楽とで別世界に引き込まれる。

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一緒に行った松永さん夫妻のこどもたちも、うちの朝子も、こどもたちにはちょっと退屈だったかもしれないけど、大人のための最高のサーカス。

この日の翌日は特別イベントで、朝までジプシー音楽で飲めや歌えの大パーティーだったそうだ。

http://www.cirqueromanes.com/
http://www.despres.jp/paris/2010/01/0112paris.html

新生活。

しばらくFacebookオンリーだけだったけど、久々にこちらにもアップ。
2008年4月に離婚、2010年の7月に再婚。2011年の6月に産まれた朝子も1歳9ヶ月。
紆余曲折あり離婚直後は馬鹿なことをたくさんしてしまったけど、いま楽しく幸せに暮らせていることに感謝。
妻のおかげで親との関係も画期的によくなって、家族というものの大切さが初めてわかったかも。
3月11日の震災の日は、実は自分たち家族にとっては20年以上前から、妹の命日で。
親に花を贈ったり、メールや電話をしてみたり。今までは考えられなかった交流。
亡くなった家族のことを忘れるのではなく、ともに語らうことができるようになり、
妹も弟も喜んでくれてるかもね。

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Looking for Eric / エリックを探して

ケン・ローチの「エリックを探して」。「ケス」や「SWEET SIXTEEN」のような暗いものを、ある意味期待していたのだが、まさかの展開。

人間の弱い部分、つらい部分、社会の不条理、やり場のない怒りなどを、淡々と突きつけられるのはいつもと変わらないのだが、今回はそこで終わらず、たちあがるところまで。自分を信じる、チームを信じるという単純なメッセージ。「ライフ・イズ・ビューティフル」的な、おとぎ話、といえばおとぎ話。市井の人々に対する、そっと見守るようなあたたかいまなざし、応援メッセージ。いつもの、やさしい作品。ばかばかしいところも含めて、好きだなあ。

自分はサッカーはわからないけど、マンチェスター・ユナイテッドのエリック・カントナ本人が重要な役で登場してるので、イギリスのサッカー好きが見たら、もっと楽しめるのかな。

National Story Project <日本版>

ポール・オースターのナショナル・ストーリー・プロジェクト。
全米の一般人?から寄せられた短い短い物語を、ポール・オースターがラジオで朗読する、という企画。

変な話だけれど、ああ、アメリカ人も人間なんだなぁ、と、どちらかというとアメリカ的というより普遍的なひとの営みみたいなものが感じられておもしろかった。

その日本版が、内田樹さんと高橋源一郎さんが選者となってつくられるらしい。

ほんとうは語るほどでもないことの中にいろんな人生があって、きっとそれが素敵なことなんだろうな。そういうのがちょっと出てるとおもしろそう。日本版ではどんな話が集まるのか。なんにしても、楽しみ。

http://matogrosso.jp/nspj/nspj-01.html